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飯道寺「笈渡し祭」

平安中期には、役行者(えんのぎょうじゃ)の修験道が山岳仏教として盛んになり、真言、天台流派の先達を務めたという。その後、彼らは笈(おい・行者が背中に背負う箱)の中に役行者の遺品を入れ、大峰山、熊野の山々に入山したという。当時、この飯道山に五院があって、ここで笈を引き継いだといわれている。
明治に入ると、飯道寺に引き継がれ行われて、それが儀式化した。毎年11月3日の午後1時、飯道寺にて僧侶の読経があった後、ホラ貝を吹く修験道行者を先頭に、近くの圓光寺へ向かう。ここで「笈渡し」があり、その後再び飯道寺に帰る。境内で採灯護摩が焚かれ邪気が祓われる。また伝承として、大峰山系で修行を終えた山伏が大峯山寺の鍵を預かっており、飯道山に帰山して次の当番院に鍵を引き継ぐ儀式と伝えられている。往時の飯道山山伏の勢力を語る名残であろう。

祭典日時 平成28年11月3日(木)午後1時
祭典場所 滋賀県甲賀市水口町三大寺1019
飯道寺  TEL:0748-62-2255

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笈渡し祭法要・採灯護摩
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